【ネタバレ感想】映画「たかが世界の終わり」は観客の感性を試すリトマス紙だった
本記事は移転しました。
約3秒後にリダイレクトします。
リダイレクトしない場合はここをクリックしてください。
"美しき天才"が送る「家族愛」ーーー
カナダの若き天才、グザヴィエ・ドランの最新作「たかが世界の終わり」。
様々な形で愛を表現してきた彼が今作でテーマにしたのは"家族"。一体どのような作品になっているのでしょうか。グザヴィエ・ドラン作品は初めてなので大変楽しみにしていたのですが本作はなんとも評価しがたい作品でした。
- 映画「たかが世界の終わり」基本情報
- 「たかが世界の終わり」のあらすじ
- 「たかが世界の終わり」の登場人物・キャスト
- 「たかが世界の終わり」の結末・ラスト
- 「たかが世界の終わり」の感想-ただの家族喧嘩-
- まとめ
映画「たかが世界の終わり」基本情報
監督:グザヴィエ・ドラン
脚本:グザヴィエ・ドラン
上映時間:99分
配給:GAGA
「Mommy/マミー」「エレファントソング」などの作品の監督を務めた"美しき天才"グザヴィエ・ドランの最新作です。グザヴィエ・ドラン作品は今作が初めてなのですごく楽しみ。業界人からの評価がものすごく高いですよね。
「たかが世界の終わり」のあらすじ
若手作家のルイは自分がもうすぐ死ぬことを知らせるため、長らく疎遠にしていた母や兄夫婦、妹が暮らす故郷へ帰ってくる。しかし家族と他愛のない会話を交わすうちに、告白するタイミングを失ってしまい……。
「たかが世界の終わり」の登場人物・キャスト
ルイ/ギャスパー・ウリエル
作家。自身の余命が残りわずかであることを知り、長く離れていた家族のもとを訪れる。一緒にいるうちに余命を伝えるタイミングを失ってしまい、葛藤に苦しむ。
シュザンヌ/レア・セドゥ
ルイの妹。ルイは彼女がまだ幼い頃に家を出てしまい、ルイの実像を知ることなく年齢を重ねていった。
マルティーヌ/ナタリー・バイ
ルイの母親。やかましい母親だが、意外と周りをみている…ように見えた。
アントワーヌ/ヴァンサン・カッセル
ルイの兄。キレると怖い。だいたいキレてる。
カトリーヌ/マリオン・コティヤール
アントワーヌの妻。作中で唯一、ルイと血縁関係にない。いわば他人。
「たかが世界の終わり」の結末・ラスト
家族に死を伝えようと頑張るルイだったけど、やっぱり言えずに実家を去るのでした。
「たかが世界の終わり」の感想-ただの家族喧嘩-
良かったところ
- 俳優陣の演技
俳優陣の演技はよかったです。ギャスパー・ウリエルの絶妙なむず痒しさを感じさせる表情とかヴァンサン・カッセルのイッちゃってる感じ。眠らずに済んだのはヴァンサン・カッセルのおかげです。てかヴァンサン・カッセルなんかキメちゃってるでしょあれ。
- ラストの緊張感
ラストの手に汗握る口論シーンは「この先どうなっちゃうんだ」と思わせる緊張感がありました。
残念だったところ
- なんの進展もオチもないストーリー
家族の仲が悪すぎます。見ていていたたれません。喧嘩⇒仲直りのループを見せつけられます。喧嘩ばっかりのカップルみたい。決して気分が良いものではありません。
筆者は人が不幸になる映画は大好きですがそれはあくまでストーリーの展開ありきだというのがよくわかりました。最初から最後まで変わることのない仲の悪い家族模様を見せられてもね…。
- ただの家族喧嘩を延々と見せられる
本当にそれだけの映画です。話は一切に進みませんし、オチもありません。てっきり死期を伝えた後の動乱をメインに描く作品だと思っていたので拍子抜けというか。
家族喧嘩が見慣れた光景の人は「早く話進まないかなー…」って思っちゃうのではないでしょうか。ひたすら眠かった。。
- いちいち大袈裟なくせに、話のまとまりはないし進まない
なんだか会話が大仰です。「ポエムかよ」って思いました。KBTITにびっくり。元ネタが同名の舞台なので仕方ない問題だとは思いますが鼻についちゃいましたね。だって話はただの家族喧嘩だし。
- MVみたいな音楽の挿入
ドラン氏は音楽の選曲などがに定評があるみたいですがスタイリッシュな映像も相まってMVにしか見えず。。いや、歌詞は確かにマッチしてたけど。物語の進行においてそれは必要なのか?と感じてしまい入り込めず。。。
- マイアヒ
なんかイケイケでスタイリッシュな感じのBGMばかり流れてたので「そこでマイアヒ…?」と失笑してしまいました。
……と批判ばかりしてしまいましたが。他の方の評価を見ても褒められてる方のほうが多いです。筆者が映画に求めるものと今作が表現していたものに相違があったということですかね。
筆者が映画に求めるものは驚くような脚本や、ド派手な演出などのいわゆる「映画らしい」映画なのだろうなぁと。いやそれが映画らしいのかと言うとどうなのだろうかとも思いますが。
とかくこの映画は映画を芸術的な観点で楽しめるかどうかのリトマス紙みたいなものなのかな…と。映画を純粋なエンタメとして捉えるか、芸術と捉えるか。筆者はまだまだ感性が青いのでしょう。。
まとめ
なんともコメントに困る映画でした。 あらすじや予告ははとても惹かれるものがあっただけに残念です。ただの家族喧嘩ムービーで面白い人は面白いのかもしれませんが筆者はだめでした。
「死を伝えにきた」という目標を観客と共有していなければもっと面白くなったのになぁと思いました。
そこを観客に明かさなければ「なぜ12年もの歳月を経て実家に戻ってきたのか」「なぜ家族はこんなに仲が悪いのか」「何かを言いたそうな主人公は何が言いたいのか」といった疑問が出てきてウトウトせずに物語を追えたように思えます。