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【感想】映画「デスノート Light up the New world」の惜しさ【考察、ネタバレあり】

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新たに舞い降りた6冊のデスノートと三人の天才たち!彼らは果たして月とLの意思を継ぐことができるのか?!

 

 

 

デスノートが原作の、映画限定の完全オリジナルストーリーで送られる「デスノートLight up the New world」が10月28日、ついに公開されました。人間界にデスノートが6冊も降り立つということで一体どうなるのか、本当に検討もつかない作品でとても楽しみにしていました。

ざっくりした感想は「これめちゃくちゃ賛否あるな」です。否のが多そうです。筆者は全てを許しました。

 

※この感想はデスノート Light up the New worldのネタバレを含みます。

 

 

デスノート Light up the New worldの基本情報

  • 2016年10月29日(土)  公開
  • 佐藤信介 監督

監督は「GANTZ」シリーズや図書館戦争を映画化した佐藤信介監督。最近だと「アイアムアヒーロー」が記憶に新しいですね。

 

<予告編>

 

映画の原作や前作について(ネタバレあり)

原作

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原作は週刊少年ジャンプで連載されていた「デスノート」です。原作を大場つぐみ、絵を小畑健が手がけ、斬新な設定、過激な内容で一斉を風靡超人気マンガです。

筆者は中学生の頃くらいに単行本で読んだのですが、当時は全くトリックの意味が理解できず挫折しました。所有権とかどういうこと??って思いながら読んでて、気づいたらLが死んでた。

最近一気に読み返す機会を得てズラッと読んでみたのですが、全12巻というボリュームにも関わらず、読み終えるのに5時間くらいかかったのは驚きました。ほぼ流し読みだったのに。情報の密度がハンパないんですよね本当に。5時間あったらワンピース全巻読めそう。

 

原作が気になられた方はこちらから購入いただけます。

全2部作+スピンオフ1作の映画

2部作で原作の雰囲気を継承しつつもオリジナルの展開で衝撃を招いた名作。キラ役の藤原竜也とL役の松山ケンイチの再現度がとにかく半端ない。藤原竜也ってなんだかんだすごい。松山ケンイチに至ってはまだ無名の時期にこの演技をするのだからすごい。

原作通りの難解なトリックばかりなので、原作を読んでから観るのがオススメです。

アニメ化、ドラマ化もされているまさに名実ともに超人気コンテンツなデスノート。しゅごい。

 

 

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10秒でわかるあらすじ(ネタバレなし)

デスノートに名前を書かれた者は死ぬ」

10年前、ふと人間界に降り立ったデスノート。そのデスノートを使い、犯罪者たちを次々と粛清していく「キラ」が誕生。あるものはキラを「新世界の神」と崇め、あるものは「ただの大量殺人犯」とキラの行為を断罪する。

その折、キラを止めるべく立ち上がった「L」。彼との熾烈な頭脳戦の末、キラ事件はキラとL、お互いの命を差し出す形で集結。デスノート事件は幕を閉じた。

 

そして「キラ事件」から10年後。再び人間界にデスノートにばらまかれることになる。その数、なんと6冊。それを追うのは、デスノートマニアの刑事三島と、「L」の正統継承者竜崎、キラを信奉するサイバーテロリスト紫苑。

デスノートを封印したい者、キラの意思を継ぐ者。それぞれの思惑がぶつかり合う中、再び起きてしまったデスノート事件はどのような終結を見せるのか。

 

デスノート Light up the New worldの感想、考察(ネタバレあり)

頭脳戦を期待して観るとびっくりする

デスノートの魅力と言えば、高度すぎるほどの頭脳戦。月とLの手に汗握る攻防が最大の醍醐味であることは間違いはず。

となれば、今作は月とLがやり合うわけでは無いものの3人のタレント達が一体どのような戦略でデスノートの奪取を謀るのか、期待しないわけにはいきませんよね。結論から言うと頭脳戦を期待していくと、間違いなく肩透かしを喰らいます。筆者は「こんなのデスノートじゃねぇ…」と思ってしまったほど。

今作はあまりにも頭脳戦の要素がない。主要人物3人の心理描写も殆どないから、時間が経つといつの間にか事が都合よく進んでいく。なんかごちゃごちゃやってて気づいたら次のステージに進んでいる感じ。全く人物の意図が見えてきません。

竜崎なんてほんとにLの後継者なの?って思えるくらいには何もしてません。デスノートである必要ないでしょ?っていうご都合展開の連続で前半は「これは…ク◯映画?」と戦々恐々してました。筆者はクライマックスシーンで全てを許しましたが。繰り返しますが、頭脳戦は期待しないほうがいいです。

竜崎は仕草がちょっとクレイジーな普通の人だったけど、演技自体はものすごく見応えありました。ただ、デスノートを使わないと誓ったくせして拳銃は使うんだね…。「ノートが銃に勝てるわけねぇだろ」ってそれ言ってはいけないセリフじゃ…?これがニューワールドなデスノートなのか…。。。

 

クライマックスの原作オマージュ3連発で全てを許した

ノートを6冊集め、"約束の場所"にてキラを待つ紫苑。そこに現れたのは、刑事三島。次いで死んだはずだった竜崎も現れる。

そこで「実は三島がキラだった」という衝撃の事実が発覚します。彼は竜崎の捜査を欺くため、彼の名前を数日後に死ぬように書いて、所有権を放棄して記憶を失っていたのです。

なんだか「シャッターアイランド」を思い出さずにはいられなかったのですが、この後に原作オマージュをこれでもかと凝縮してきて筆者はなんだか面白くなってしまい全てを許しました。「良い、全てはこれでよい」

原作オマージュ3連発!

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原作で誰もがマネしたいと思わずにはいられなかったであろう、スライド式腕時計からデスノート

原作では結構なキーアイテムとして重宝されてました。「今作でもやってくれないかなぁ〜」と密かに期待していたら我らが菅田将暉がやってくれました!さすがキラ信者!正直めちゃくちゃテンション上がった。

 

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「計画通り」と言えば名言がかなりあるデスノートの中でもトップクラスに人気のある言葉ではないでしょうか。白ライトから黒ライトへの転生の瞬間、この悪い目…。狂気でしかありません。そしてこの言葉が今作ではなんとリュークの口から放たれました。

リュークデスノートを触り、キラとしての記憶を取り戻した三島。絶望する三島のもとにリュークのがかけた言葉は「計画通り…だろぉ?」でした。使い所間違えすぎー!皮肉でしかないー!結構笑った。

 

  • 機動隊員のヘルメットを死神が剥がす

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原作では死神の目で本名を知られないようにヘルメットで顔を隠していた機動隊員の装備を死神のシドウが剥がすというシーン。

今作では三島、竜崎、紫苑が何故かキラの関係者として抹殺司令を出された際に、紫苑がリュークに指示をして機動隊員のヘルメットを剥がしました。

ここまで畳み込んでこられると、前半がつまらなすぎたとか頭脳戦はとかはどうでもよくなってしまいました。面白くなってきてしまった。

 

それぞれの演技がナイス(MVPは菅田将暉)

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三島刑事は正直棒演技でなんだかなぁ…という感じでしたが、竜崎と紫苑の演技はすごく良かったです。池松壮亮すごいなと思いましたが個人的なMVPは紫苑扮する菅田将暉リュークと紫苑は度々「面白くなってきた」と言いますが、どこらへんが面白くなってきたのかよくわからなかったところもGOODです。


サイバーテロリストの紫苑、最初の登場シーンから小物感たっぷりだったのですが、最期までその芯をぶらすことなくやり抜いてくれました。噛ませ犬っぷりがすごかったなぁ…。「人間っておもしれぇだろ…」とリュークに言うとこ笑った。

しかし、、、、、竜崎に「顔出しTV出演」を要求したのはアカン。しかもそれを飲まなかったときは大量虐殺て。月がいたら君が粛清されちゃうぞ!!

戸田恵梨香ミサミサもよかったです。「私もう一生幸せになれませんから」オーラが哀愁を誘ってた。あれはまさしくまだ会ったことのない君を、探していましたね。ミサミサの結末こそ従来の新海誠では??

 

デスノート6冊も必要だったの?

もはや予告のためのネタ作りだったの?ってくらいに空気だった6冊のデスノート。一体何のために6冊も作ったんや…。竜崎についてたアーマとかいらなかったのでは…。それならそれでもっと竜崎のキャラを掘ってくれないと。全然感情移入できなかったです。

ノートの争奪戦的なものも結局結局ダイジェストでしかできてなかったし。尺的に無理がありすぎたのでは?と思います。

とうか、判事さんについてた死神一切でませんでしたね。どこに行ってたのだろう…。

 

月とLをおもちゃにしないで…

キラウイルスって。。。LもCG合成って。。。取ってつけた感しか無くてあれじゃあまだ出さないほうがよかったんじゃないのって思うレベル。エンドロール後の「計画通りだ」に関してはもはやギャグというか、愚弄というか…。

まぁあれですね、改めて藤原竜也キラと松山ケンイチLの凄さを再認識できたという点ではよかった(?)

 

三島刑事は何を考えていたのか

終盤で実は彼がキラだったということが判明するのですが、一体どういう経路で再びノートを手にして、キラとしての活動を再開するつもりだったのでしょうか。

またどうして竜崎の死亡時期をあんなに長く開けたのでしょうか。彼の意図に関しては謎が多すぎてちょっとよくわかりません。捜査中に竜崎が死んで、紫苑も逮捕して「計画通り」ってやりたかったのかな?わかる方教えてください…。

リュークもちょっとはそれ(三島がキラ)を仄めかすようなセリフとか言ってくれてたら先に対する期待感というか、気味の悪さを演出できたのにと思います。せっかく全部知ってるんだから。 

 

結末/ラスト【ネタバレ】

ミサの死神の目を用いることで竜崎の殺害に成功し、ついに6冊のデスノートを手にした紫苑。キラがまつ"約束の場所"に向かう。そこに現れたのは三島刑事。ノートを要求、無力化をするとそこに死んだはずの竜崎が訪れる。

竜崎はミサによるノートの記述では死なず、死んだふりをしただけだった。ではなぜ竜崎は死ななかったのか。竜崎は言う「彼女がノートに俺の名前を書く前に、名前を書いたやつがいる」と。

そしてその疑いを三島に向ける竜崎。そんなことがあるはずない、記憶にないと主張する彼だが「記憶を失っているとしたら…?」と竜崎は言う。三島がリュークのノートに触れると、記憶がよみがえる。三島は、キラだったのである。

三島が絶望する中、互いの動きを牽制しあっていると突如、窓からヘリコプターによる銃撃を受ける三人。彼らはデスノート所有者として、銃殺やむなしの殺人犯に仕立て上げられていた。

紫苑の犠牲を後に、下水道から逃げる三島と竜崎。最期に待ち受けていたのは、七瀬だった。
七瀬は三島がキラということを知り、実の兄がキラに殺害されたことに対して深い憤りを感じていた。

その場で三島を銃殺しようとする七瀬だったが、寸でのところで竜崎についていたアーマが七瀬の名を自らのノートに記述し、三島は命を救われた。

警察は三島をキラとして逮捕。こうして新生キラ事件は収束したーーーー。

そしてある日。独房で収監されている三島の元に竜崎が訪れる。竜崎はノートの移管中にテロリストに襲撃され、4冊のノートが焼却されてしまったことを三島に告げるデスノート事件は終わっていなかった。また、奇しくもその日が三島がデスノートに書いた竜崎の死亡日だった。

竜崎は三島に自らの名を託し、キラ事件を追うように命じる。三島は竜崎に本当の名前を伝え、独房を出る(そこは竜崎って言ってほしかったよね)。

竜崎は一人、独房で例のひょっとこお面をかぶって息を引き取るのだった。

 

エンドロール後、キラウイルスとなった月が「計画通りだ」という言葉を残して、本当の終わり。

 

総評:新規層も従来のファン層も取り込もうとして失敗?

個人的には悪くないと思ったのですが、やはり一部のファンからは結構な不満が噴出している様子の本作。筆者としては新規層もファン層もどっちにも楽しんでもらいたいと意識しすぎた故の失敗なのかな、と思いました。もう少しどちらに向けて作るかのターゲットを明確にするなりすれば、頭脳戦を意識して作れたりしたのかな…と。 

 

デスノートらしさを出しすぎると「難しすぎて分からん」と新規層に言われ、わかりやすさを出しすぎると「こんなのデスノートじゃねぇ」と言われてしまうジレンマにぶつかってしまったのではないでしょうか。

 

デスノートの根本的な面白さをぶっ壊したセリフなど、批判を食らいそうな要素をたくさん孕んでいるので悪い評価ばかりがめだちそうですが、個人的には結構好きな作品でした。次作も楽しみにしてます。笑

 

しかし、エンドロール後の「計画通りだ」は本当謎だったなぁ…。

 

デスノート Light up the New worldがオススメな人

どんでん返し系の物語が好きな方

デスノートにそこまで思い入れはないけどまぁ面白いよねってくらいの方

池松壮亮ファンの方

 

デスノート Light up the New worldが合わなそうな人

デスノートの世界観が大好きな方

キラとLの活躍がみたい方

究極の頭脳戦を期待している方