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圧倒的成長侍

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【ネタバレ】映画「何者」と原作の相違点【感想・考察】

映画感想

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圧倒的成長を約束する記事3選+1

何者 感想

映像と小説で二度美味い物語でゲス。

 

 

 豪華キャストが集結した映画「何者」。原作は直木賞を受賞されたほどの作品なので、知っている人も多いのではないでしょうか。

筆者は原作を既に読んでからの鑑賞だったので、原作との違いをいろいろと感じることが出来てまた新鮮な気持ちで見ることができました。めちゃくちゃ落ち込むのはどちらも同じです。

せっかく両方の物語を味わったので、小説と映画の違いを探してみました。お互いの物語を補完するように脚色されたキャラクター達の違い、シーンの追加などをお楽しみいただけたら幸いです。

 

ohrmsk.hateblo.jp


ざっくりとしたあらすじや感想はこちら。

 

 

映画「何者」と小説版「何者」の違い

全体的にカットされている部分が多い

尺の関係か、全体的にカットされている部分が多めです。隆良の裏アカウントだったり、光太郎の得料理だったり、瑞月と拓人のスカイプ電話だったり。なので原作も補完的な意味合いで全然楽しめると思います。光太郎シェフのズボラ飯キーマカレーは映像で見たかったなぁ…。

 

主人公拓人の性格

映画だと結構なコミュ障っぷりを発揮してますが、原作では割と快活な印象。光太郎にすぐ手を出したり。ノリがいい感じ。小説は(当然ですが)拓人視点で進むため、めちゃくちゃ喋るイメージです。

 

ラストの面接での拓人の言葉

映画での面接では拓人はギンジとの馴れ初めを初めて、自分の言葉で語ろうとします。それは声という形にするのも困難なものでしたが、彼は一言一言、精一杯言葉を振り絞りました。

これはこれでありだったのかな、と思いましたが、筆者は小説版の結末のが好きでした。


小説は映画版とは違って、面接の初めから終わりまでをノーカットで描きます。

会社はインターネット通販事業を展開する会社。質問は3つ。拓人を含む受験生3人のそれぞれの回答も持ち前の分析で詳細に描かれます。

読者はここで初めて拓人の面接の模様が分かるのですが、「これはあかん…」と素人でもわかるような受け答え。面接こわいのめちゃんこわかるゾ(小並感)

面接は進み、最期の質問「短所と長所」へ。

「………エントリーシートを書いたときとは、変わってしまっているんですけど」

「短所は、カッコ悪いところです」


拓人はここで、初めてエントリーシートで書いた内容とは違う中身の言葉を吐き出します。面接官の表情の変化など意に介さず。

 

「長所は、自分はカッコ悪いということを、認めることができたところです」

(中略)

たぶん、落ちた。だけど、落ちても、だぶん、大丈夫だ。不思議と、そう思えた

 

このような内容で、小説版何者は幕を閉じます。

筆者は原作のほうが「何者」かになろうとする拓人の思いがシンプルに伝わってきて好きでしたね。。

 

就職留年発覚のきっかけ

拓人が就職留年生ということが発覚するシーンも映画と原作で若干異なります。シーン自体は一緒ですが、それを明らかにする人が違います。

映画版では拓人が理香に正体を明らかにされた後、ちょうど帰ってきた隆良に「俺も就活しようと思って、だからいろいろ教えてくれよ。拓人は就活二年目だし」と言われてサラッと発覚します。隆良が就活することを決めるシーンは小説になかったですね。

 

原作でも同じく理香に正体を暴かれ、それはもうボコボコにされる拓人。ここでの口撃は映画以上。この最中に彼女が言います

「そんなんだから」

後ろを振りかえると

「就活二年絵になっても内定ゼロなんだよ」

銃口のような目がふたつ並んで、こちらを見ていた

 

…………いや、控えめに言っても怖すぎです。泣くぞこんなん言われたら。ここも小説版のままで見たかったなぁと思います。二階堂ふみたんの目ン玉ピストル見たかった。

 

原作は泣き崩れる描写もなかったですね。全部胸の内を吐き出して、悟ったような表情を浮かべているイメージが浮かびました。原作版の理香はもっと強かった。 

 

隆良の裏アカウント

映画では拓人に就活始動宣言をし、清々しいくらいの印象を最期に与えた隆良ですが、原作では結局ちょっとイタいやつでした。

原作では隆良も拓人と同じく裏アカウントを所持しています。

そのアカウントは就活に関する小言をつぶやくアカウント。拓人と理香がメールアドレスでアカウントを検索して、この存在を暴きました。この裏アカウントの本質は他人をこき下ろして自分の立ち位置を確保しようとする、拓人のそれと同じようなもの。




……でも、この件に関して一番闇が深いのは紛れもなく理香ですよね。隆良の裏アカウントを知っていながら、それを本人にすら伝えずに一人眺めてほくそ笑む。

理香は拓人に「誰かの頑張りを見ないとまっすぐ立っていられない」といいますが、隆良の裏垢についてなにも言及しないあなたもどうかと感じてしまいました。理香に関しては「何者」のスピンオフである「何様」を読んでいただくと闇の深さがより鮮明になります。

 

 

 

拓人のTwitter裏アカウント劇場

拓人が舞台上で拍手を浴びるシーン拓人は自分の正体を暴かれる。そこから舞台は演劇のようなシーンに移り、最終的に舞台上で拍手喝采を浴びる拓人。予告でも大々的に強調されていますが、このシーンは映画のみの演出です。

拓人がこれまで裏アカウントで投稿していたときの状況を走馬灯のように振りかえるこのシーン。最初はただの再再生でしたが、次第にモブキャラがマネキンになったり、彼らがいたはずの部屋が小さなプレハブになっていき、小さな演劇の設備のようにデフォルメされていく演出は映像ならではで見ていてゾクゾクしました。

 

「毒とビスケット」の演劇シーン

こちらも映画のみの演出でした。


拓人がなにか考え事をしているときとかふとした間に挟まれるギンジが作った劇団「毒とビスケット」の演劇シーン。なんだかよくわからない演劇ですが、途中挟まれる演者たちのインタビューでは皆、涙を流しながら「悔いはない」「伝えたい思いがある」など、アツい言葉を発しています。

一生懸命、今に取り組む彼らと、彼らに付けられる点数を見て安心を手にする拓人。対比をより強調するためにこの演出は入れたのでしょうか。

 

拓人とギンジの決別シーン

映画ではサワ先輩の家で直接やりあった二人でしたが、小説版ではLINEでのやり取りに変更されていました。時間の都合か、世相を表してなのかはわかりませんが、苛立ちを喫煙で表現されていたのかな?上手だと思いましたね。

そういえば映画だとギンジは一言も話してない(回想シーンだけだった)のでそのせいかな?

 

まとめ

大きな変更点や相違点はこれくらいでしょうか。違いだけでこれだけ書けるくらいのボリュームはあるので、映画が面白かった!という方はぜひ原作も読んでみることをオススメします!拓人のカッコつけた思想がより鮮明で、理香の口撃も映画よりも精神的にきます。笑