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圧倒的成長侍

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【ネタバレ】映画「ジムノペディに乱れる」の感想 −悲哀に満ちた男の"あがき"

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圧倒的成長を約束する記事3選+1

ジムノペディに乱れる 感想

イキたいのにイケない中年男の"もがき"と"あがき"の一週間

 

 

※この記事はネタバレを含みます

 

 

「ジムノペディに溺れる」の基本情報

監督:行定勲

「世界の中心で愛を叫ぶ」が一番有名でしょうか。最近だと「ピンクとグレー」で注目を集めました。

ちなみにジムノペディってのはクラシックの一曲です。筆者は鑑賞を終えて調べるまで意味を知らなかったです。

 

「ロマンポルノリブートプロジェクト」の一角を担う作品

今作は45周年を迎えた「日活ロマンポルノ」を記念して始動した「ロマンポルノリブートプロジェクト」の中の一作品となっています。

ロマンポルノというのは「10分に一回濡れ場がある映画」のこと。

当時は色々と物議を醸していたようですが今回ロマンポルノの活性化を目指してこのような企画が立ち上がったようです。(なんと裁判にもなったそうで…)

 

zジムノペディに乱れる ネタバレ

映画.com×「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」より


今回の「ロマンポルノリブートプロジェクト」では上記の6つのルールを設けて制作されました。制作費一律や撮影期間1週間など、映画の素人でも「やべぇ」と思うルールもあってこれがプロの力量か…!と思わざるを得ません。

監督陣も大変豪華で、今回の行定勲さんはもちろん「リング」シリーズの中田秀夫さんや「冷たい熱帯魚」の園子温さんなど、「こんな人が!?」と思ってしまうような人達揃いで今後の作品もとても楽しみ。
 

10秒でわかるあらすじ

過去に国際映画賞も受賞した経験もある映画監督「古谷」は、近年制作の映画の評価が振るわない、浮気がバレるなどで全てを失い、自暴自棄になっていた。

新たな映画の撮影日を控えた早朝。古谷が目覚めると、「ジムノペディ」をピアノで弾く妻が眼前に現れる。だが、それは古谷が観た幻だったーー。

映画の撮影も女優とのトラブルで映画自体の制作がパーに。

古谷は映画を撮れない一週間をさまよい歩く。

孤独を幾人の女性のぬくもりで温めながらーーーーー

 

「ジムノペディに溺れる」の登場人物

古谷慎二:板尾 創路

映画監督。「精神が研ぎ澄まされていれば、金がなくても映画だ」という名言をキメる。
妻に無理心中を図られ、足を痛めている。

 

結花:芦那すみれ

古谷の教え子。親がお金持ち。恋人がいるが、古谷に特別な感情を抱く。

この結花という女性がかわいすぎてもういかんです。何回股間を盛り上げてくれるだと思った。。純朴だけど、どこか妖しい色気がある。たまらんです。こぶりな胸もたまらん。

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結花を演じた俳優さんは芦那すみれという女優。BOMIという名義でミュージシャンとしても活動されているそうな。この先ブレイクの予感。

ロマンポルノ映画というと勝手にAV女優ばかりが出るイメージがあったのですが、そういうわけではないんですね。映画などで芦那さんが出たらちょっと特別な視線を寄せちゃうかもしれない。。

 

安里:岡村いずみ

古谷が監督の映画に出演するも、濡れ場のシーンに拒絶をあらわし撮影をポシャにしてしまう。

 

「ジムノペディに溺れる」の感想、考察

「ロマンポルノってなんやねん」と思ってたけど純粋に映画として面白かった

この映画はブログ仲間のたっけ@takeee814が誘ってくれて観に行くことになったのですが、当初は何も知らなかったのでその響きだけで「なんだか恐ろしいものというイメージを持っていました。

しかし、観てみるとこれがどうでしょう。普通に面白い!「逆になぜ殆どの映画には濡れ場がないんだろう」と思えるくらいに自然に、しかし唐突に開始される情事。「ここでか!?」というタイミングでやってくる。それも驚くほど自然に。

終末感が漂う主人公を取り巻く様々な女たち。抑えの効かない欲望の爆発と破壊。人は自暴自棄になると闇雲に人肌にすがりついてしまう。すがりつける場があるだけ羨ましいですあれ目から汁が

時に強引に女性との性交渉を求めようとする主人公の気持ちはわかるような気がして。全てがうまくいかない時に求めるものは人肌のぬくもりっていうのはとても人間らしい思考なんじゃないかな、、と思いました。

映画監督としてのプライドと、全てが崩れ去っていく崩壊寸前の精神の狭間の中で漂う深谷がとても人間臭くて、それを表現しきった板尾さん。さすがでした。

行為中の切ない表情だったりフィニッシュまでいかなかっったりはとてもらしさを感じました。

 

エロい

当然といえば当然ですが笑

エロいです。でもなんというか、ぼくが大好きなAVのマジックミラーシリーズのような単純なエロさではなくて、どこか芸術的なエロスを感じました。

追い詰められた人間ならではの焦燥や絶望を肉欲にぶつけるというどうしようもなさ。人間の欲望の爆発する瞬間を真に感じることができる。セッ◯スにはそんな魅力があるのでしょうか。

 

笑える

中盤の古谷のトークショー、病院での情事など、クスクス笑えるシーンが盛り込まれていたのも面白い。病院での情事は主人公の心を鑑みれば決して笑えるようなものではないのですが…

しかしAVでもお目にかかることは珍しいくらいの非日常的な空間に性行為を持ち込むことで観客にとっては面白おかしく見えてしまうようなシーンに。


「感じろ!!感じるんだっっ!!!もっと声ぇだせっ!!!」
 


 こんなの笑うわ。

 

ジムノペディに秘められた意味

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映画ナタリーより

 

ウィキペディアでジムノペディを調べてみると、冒頭にこんなことが書いてあります。

 

第1番から第3番までの3曲で構成され、それぞれに指示があり、

第1番「ゆっくりと苦しみをもって」(Lent et douloureux)
第2番「ゆっくりと悲しさをこめて」(Lent et triste)
第3番「ゆっくりと厳粛に」(Lent et grave)

ジムノペディ - Wikipedia

 

古谷の一週間と重なる要素を感じずにはいられないような気がするのですが、いかがでしょうか?主人公の苦しみ、悲しみ。それが克明に描かれるのではなく、静かにゆるやかに再現されていく。

この曲を好んで弾いていた主人公の妻もまた、悲劇の道中を歩むパートナーだったということなのでしょうか。

 

結末/ラスト

数人の女性と身体を重ねる、破壊的な一週間を過ごし久々に自宅に帰宅すると、ドアの前で座っている結花の姿が。

なぜ自分の家を知っているのかはもはや詮索しない。帰るように促すが「空腹だ」というので一旦家にあげて何か食料を振る舞うことに。

古谷がカップラーメンの準備をしていると、結花は「ジムノペディ」を弾いていた。

古谷がジムノペディを弾く結花の姿を妻に重ね見とれていると、突如結花が何か恐ろしいものを見たのか演奏をやめてしまう。

どうしたのかと尋ねると結花はこう答えた「いるんだったら言ってよ…奥さん」

その言葉の意味を理解した瞬間、古谷は妻が入院する病院に向かって走り出す。

 

総評:感じて、笑って、衝撃。

ラストシーンで確信しました。「この映画は名作だ」と。

昔誰かが言っていました。男が一人、全力で走るシーンがある映画は名作だと。だからこの映画は名作です。ただし君の名は。テメーはだめだ。(あくまで個人の感想です)

 

 

最後は劇中随一の名言を引いて終わりにします。 

 

「先生…私の花、何色?」

 

 


「……夜露に濡れた 夜明け前の アサガオ。」

 

 

気になった人は劇場へ!!!

 

 

「ジムノペディに溺れる」がオススメな人

  • AVでもやたらとストーリーを重視しちゃう人
  • 映画製作に携わっている人
  • エロい作品をみんなで共有する体験がしたい人 
  • カップル(歌舞伎町に行ってらっしゃい)

 

「ジムノペディに溺れる」が合わなそうな人

  • 初デートではやめておこう。

 

パンツびちょびちょになりました。ありがとうございました。