【ネタバレ】映画「ザ・コンサルタント」の感想・あらすじ・結末など/会計士ウルフは◯◯だった!【考察】
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"会計士"はなぜ無敵の暗殺術を身につけたのか。
今回感想を紹介するのは「ザ・コンサルタント」。主演は「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」でバットマンを演じたベン・アフレック。
ジャスティスの誕生の酷評に思わず見せたしょんぼり顔がとても印象深いです。
今作で彼が演じるのは「職業コンサルタント、本業殺し屋」の腕利きビジネスマン。表ではしがない会計コンサルタントを営んでいる「風」を装いながら実は裏社会の金融を取り仕切るスーパーマン。
バッドマンで培ったマッスルボディは今作でどのように生きるのでしょうか?
※今作は「ザ・コンサルタント」のネタバレを含みます。
ザ・コンサルタントの基本情報
監督:ギャビン・オコナー
配給:ワーナー・ブラザース映画
時間:131分
「ウォーリアー」などの作品で知られるギャビン・オコナー監督。兄妹や家族の絆の描き方が上手な監督で、今作でも監督の意向で兄弟の絆がより鮮明になるように編集されたそうです。
主要登場人物・キャスト
クリスチャン・ウルフ/ベン・アフレック
今作の主人公。表では会計コンサルタントを営みながら裏で危ない世界の金融を取り仕切っている。年収は推定10億円。
報酬は脱税をして全て手の内の収めているが、使途も強さの秘密も全て秘密に包まれている。
デイナ・カミングス/アナ・ケンドリック
今作のヒロイン。「リビング・ロボティクス」社で財務を担当している。ある日経理の不正を発見し、それから数奇なトラブルに巻き込まれるように。
レイモンド・キング
ウルフの正体を突き止めようと奔走する捜査官。「セッション」の鬼教師にしか見えないが今作では柔和な人柄をしている。
スマートに力を行使し企業の不正を是正していく。軽い雰囲気だが締めるところ締める。結構重要な役回りだった。
10秒でわかるあらすじ
田舎街で会計士をしているクリスチャン・ウルフ。彼はもう一つの顔があり、年収10億を稼ぎ出す裏世界のフィクサーだった。
そんな彼にある日、大企業から財務調査の依頼が。ウルフは持ち前の超人的な頭脳を活かし、重大な不正を発見するが、突然依頼を打ち切られてしまう。
そしてその日から、ウルフは何者かに命を狙われるようになる。ウルフの命を狙う者は何者なのか。そしてウルフは何者なのか?
結末・ラスト
超人的な戦闘スキルで襲いかかる敵をバッタバッタとなぎ倒していくウルフ。その毒牙は「リビングロボティクス社」のデイナにも及ぼうとしていた。
ウルフとデイナの殺害依頼をしたのは財務不正で巨額の資金を手にしようとしていた「リビングロボティクス社」の社長だった。彼は真相を知った二人を消そうとしていたのだ。
間一髪というところでデイナを救出するウルフ。ウルフは優秀なアシスタントの協力もあり、犯人をロボティクス社社長と断定。
社長宅に乗り込むと、既にそれを察知していた社長。家には大勢の武装警備員が待機していた。
10人以上はいるであろう警備員を無駄のない動きで殲滅していくウルフ。
その模様をカメラ越しに見ていた警備員のリーダー格ブラクストンは何かを感じ取っていた。ブラクストンはウルフが歌った「ソロモン・グランディ」を聞いて彼が失踪した兄貴であることを確信する。
ブラクストンはウルフと退治していた(同僚の)警備員を自ら撃ち殺し、ウルフと対面。二人は過去に"自分に知らせずに母の葬式に参列した"ことを巡って殴り合いだす。
ロボ社の社長は状況を全く理解できていない。
やがて和解を果たした二人。その状況に我慢ならなくなったロボ社社長は二人の間に推して参上。「私がカネを持てば持つほど社会は豊かになるんだぞわかるか??!!」と激昂する社長。
それに対しウルフは「分かる」と一言いい容赦なく社長の頭に銃弾をぶち込む。容赦なく。
唖然とする弟に「すまんな」というウルフ。
「よかったら今度ごはん行こ」と残し、ウルフはその場をあとにしたのであった。
場所は変わり、ウルフが育った障害者の保育施設。そこではウルフが幼少期に時を同じく過ごしていた"ジャスティン"がいた。彼は言葉を発することが出来ないが、コンピュータに関しては超人的な技術を持っており、来訪者にPCを用いて「チャットする?」と語りかけていた。
社長を一瞬で銃殺するシーンは笑えた。劇場でも結構笑いが起こってました。「まじかこいつ」みたいな弟の表情がまたいい味出してたなぁ。
良かったところ
可能性を説いたテーマ
今作は自閉症の主人公が同じ問題を抱えた人達を救っていた、という話。
自閉症に関してわりかし尺を使っていたところもみると「自閉症の人にだってすごい可能性がある」ということを訴えたかったのではないかと思います。
予告からは全く想像もつかぬ展開で「こう来たか…!」と思いましたが普段触れる機会のないテーマということもありダラけることなく観られました。
自閉症の描写も実際に見たことはほとんどありませんが、全く違和感なく受け入れることができました。入念なリサーチの賜物ですね。
無駄のない格闘技でバッタバッタ敵をなぎ倒してく圧巻のアクション
映画.comの特設ページではマッド・デイモンの「ジェイソン・ボーン」が引き合いに出されているくらいにアクションへの力の入れっぷりをアピールしている本作。盟友マッド・デイモンもビックリ!
はちきれんばかりのマッスルボディを武器に「バッドマン時代より強くなってない?」と思える程に敵をボコボコにしていきます。スーパーマンと人間じゃあ相手が違いすぎますね。。。
監督のインタビューによると、ウルフが駆使する戦闘術はインドネシアの格闘術「シラット」というものだそう。監督は武術を探すなかで
それから彼が数学の天才であるというところを考慮に入れて、数学的に見て最速の方法で相手を倒すという戦いへのアプローチ方法を考えたんです。
効率的でありながらも華やかさもあるところが気に入り、きっと面白いものにできるだろうと思って選びました。
映画『ザ・コンサルタント』のギャビン・オコナー監督にインタビュー。自閉症スペクトラムの会計士はなぜシラットを使うのか?|ギズモード・ジャパン
と語っています。効率を追求するというところが数学の天才ウルフにこの上なくフィットしてました。
ちなみにシラットはキアヌリーブスが華麗なる復活を遂げた「ジョンウィック」でも駆使されている武術であり、見覚えがある方も多かったのではないでしょうか。バットマンwithジョンウィック!!
あくまで地に足についた設定が醸し出す渋さ
ウルフの超人的な頭脳に併せ何人もの敵をバッタバッタとなぎ倒していく無双っぷりは常任ならざるものを感じますが、それでもどこか浮世離れしておらず、現実感がありました。
その理由は彼の出自を詳細に描いたところにあるかと思います。彼が何を持って産まれ、どのように育てられたか。そういった要素がしっかり描かれていたので彼の能力を違和感なく、受け入れることができました。
観ている時は「ここまで詳細にみせる必要あるのかな?」と思っていたのですがリアリティを出すにはやはり詳細の記述まで必要だよねってことを改めて思いました。
残念だったところ
ヒロインとの関係性が急すぎた感
今作のヒロインを演じるのはアナ・ケンドリック。初めて観る方でしたがすごくチャーミングな演技でとてもキュンキュンさせてくれました。
寡黙でどこかズレたコミュニケーションをしてくるウルフに対しても笑顔を絶やさないその姿はビジネスマンの鏡。
ただウルフとの関係が急激に発展しすぎてマッチポンプ感が否めなかったのはすこし違和感がありました。
でもどうなんだろう、実はウルフが一目惚れしていたかもしれないきらいもあるのでなんとも言えませんが。「ティナ、君の美しさは賞賛に値する」という置き手紙は笑った。ウルフにキュンとしました。
身長差すごすぎだったしグーグルのサジェストもすごすぎて笑った。ベン・アフレックってこんなデカかったんだ…。
言うほど暗殺してない
戦闘力は圧巻でしたが"本業 腕利きの殺し屋"って言うほど暗殺シーンが見られなかったのはちょっと残念でした。
伏線や設定などの解説
クリスチャン・ウルフの正体は◯◯◯だった
今作「ザ・コンサルタント」は主人公のクリスチャン・ウルフが"一体何者なのか???"という要素を強く打ち出していていました。
なので物語も彼の出自をめぐる謎が物語の大きなピースだと踏んで鑑賞に望んだのですがところがどっこい。彼の出自はわりかし冒頭で明らかになりました。
彼の超人的な数学能力は「自閉症スペクトラム」に起因するものであり、彼は幼年期に障害者育成施設で育てられていました。
母はそんな子供を見かねて逃げ出してしまうも、軍人である父親はウルフとその弟(弟は健常者)を肉体的にも強く鍛え育てました。
結果として超人的頭脳と超人的暗殺術を身に着けましたというわけですね。兄弟の殴り合いは息もつかせぬスピードで手に汗握りました。
脱税して受け取っていた巨額の財産の使用用途は?
では、ウルフは危険を犯してまで稼いでいた財産をどのように使用していたのでしょうか。それは物語の最後にウルフが育った施設のシーンに移った際に明らかになります。
前提として、その施設は患者から金銭を受け取って経営しているわけではありません。ではどのように?という話ですが、ウルフは施設に経営資金を受け渡しているのでした。自分を育ててくれた恩返しのために。
ラストシーンで新たに自閉症の疑いをもった少年が家族と共に施設の案内を受けるのですが、その家族が「施設はどのように賄っているのですか?」と聞くと社長は「幸いにも篤志家に恵まれましてね」と返答。その篤志家の正体がウルフというわけです。
非通知でウルフにアドバイスをしていた人は誰?
これもラストの施設のシーンで明らかになります。
冒頭の回想シーンでウルフがパズルを組み立てていたシーンがあったと思います。そのシーンで1ピースが見つからず発狂し始めたウルフにピースを差し出した女性がウルフの最大のパートナーだったのです。
彼はジャスティーンといい、施設を運営している社長の娘でした。発話することは叶いませんがPCのチャットで流麗な会話をし、圧倒的な情報量を有する天才でした。
筆者は最後まで誰だったのか分からずじまいだったのですが、登場総キャラ数も少ないので早い段階で分かってしまう人も多そう。
ウルフが歌っていた童謡
ウルフが正気を保つ際にしきりに歌っていたのはイギリスの「ソロモン・グランディ」という童謡です。この歌は人生の誕生から死までを一週間に例えた歌。
ちなみに歌詞は
ソロモン・グランディ 月曜に生まれて
火曜に洗礼
水曜に結婚して
木曜に病気
金曜にきとく
土曜に死んで
日曜に墓の中
はいそれまでよ ソロモン・グランディ
http://www.geocities.co.jp/Milano-Cat/3878/maza/solomonl.htmlより
という感じ。
パズルで描かれていたボクサーは"モハメド・アリ"
真っ白なパズルを組み立てていた幼少期ウルフですが、そのパズルに描かれていたのは対戦相手をノックアウトしたモハメド・アリの勇姿でした。
なぜここでモハメド・アリが出てきたのでしょうか?彼もまたパーキンソン病という発達障害を抱えていたのでした。重度の持病を患いながら、ボクシング界の頂点に立ったモハメド・アリ。
あのパズルには"彼のように困難に屈さず、強く生きて欲しい"という施設の願いが込められていたのでしょう。
まとめ
「圧倒的にすごい!やばい!賞賛に値する!」と言えるわけではありませんが、全体的に完成度が高い佳作という印象でした。筆者は結構好みの映画です。
ただ、予告で明らかになっている情報を期待していくと、若干肩透かしを喰らうかもしれません。先程も言いましたが暗殺者って言うほど暗殺してないので。
リアルバッドマン!?DCコミック化も!
なんの縁か、「ザ・コンサルタント」がバットマン有するDCコミックからコミックス化されています。改めて主人公の特徴を整理するとたしかにどこかアメコミ感があります。どことなくマーベルではなくDCコミックスぽさも感じませんか?
コミックスは映画本編のサイドストーリーなので本編をまだ観てないという方も楽しめる内容になっています!
"バッドマン×コンサルタント"夢の共演が今から楽しみですね…!